劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星 キッドの謎は読めなかった

 本日6月21日は青山剛昌さんと怪盗キッドの誕生日だそうですね、おめでとうございます。というわけでだいぶ時間がたちましたが劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の感想です。

 今作の舞台は北海道は函館、北海道はぜひ行きたいですし興味をそそられるというもの。また、現在の函館市長はゲスト出演された大泉洋さんのお兄様だそうですね。ネタバレあるので感想は畳んでおきます。

 ちなみに今年のパンフレットのキャスト欄には読んでも犯人のネタバレになるようなことは書いてありませんでした。昨年と一昨年の反省したか(笑)。

 

 オレが劇場へ初めて観に行った劇場版名探偵コナンは2003年公開の第7作目『迷宮の十字路』でした。奇しくも20作前であり、さらに服部平次がメインを張る作品でしたね。その翌年は『銀翼の奇術師』で、今作と同じく怪盗キッドが物語に絡んでくる作品かつ北海道が舞台になる作品という。だからこそ服部登場&北海道ということで今作への関心は最高潮に達していたのでした。

 それはさておき

 

2016年『純黒の悪夢黒の組織と対決

2017年『から紅の恋歌』服部メイン

2023年『黒影の魚影』黒の組織と対決

2024年『100万ドルの五稜星』服部メイン

 という流れを見ていると今作は服部の熱さやチャンバラ大立ち回りで明快な作品になる、と思っていたのですがここで怪盗キッドが絡んでくるというのが気になったところ。どうしてもキッドが映画に出るとコナンたちがキッドに振り回される感があったのでそこが不安になってしまったのですが。

 今回の骨子はいつも通り殺人事件の解決、服部と和葉の恋の行方、そしてキッドの謎解きといったところ。共通の敵として武器商人カドクラがいたことが大きかったのかきちんとそれぞれがうまく動けていたのでキッドに振り回された印象は薄かったかと思います。目立つところでは目立って大事なところはそれぞれにという具合で。それに最終盤ではある意味服部の最大の味方でもありましたからね、ええ。あの助けっぷりはしびれました。


 プロモーション映像で服部がキッドに斬りかかる場面はクライマックスだと思っていたので、それが冒頭だった時は面食らいました。
 今回のオープニング曲はいきなりメイン旋律に入っていました。そしてクレジットは縦表記。

 今回の謎解きに使われるのは刀でしたがやはり日本人としては日本刀が絡んでくると燃えますね。重要人物として新選組土方歳三が出たのは新選組好きとしてはたまらなかった。ちなみに今作では津田健次郎さんが演じられてました。それに引っ張られたのか沖田総司や鬼丸猛といった『YAIBA』のキャラも出演…あれ?怪盗キッドといい青山剛昌さんの作品が客演するってある意味お祭り作品だよ!「大乱闘青山ブラザーズ」か?「スーパー青山大戦」か?

 ここまでの群像劇っぷりは青山さんが幕末編のキャラクターデザインを手がけた『ライブアライブ』がリメイクされたのに触発されたのか(笑)?ちなみにYAIBAはいつか読みたいと思っていたら再アニメ化情報も。

 そういえば大河ドラマの『新選組!』も今年で20周年だ。それを思うとこの映画では近藤勇がいないのが寂しくなる。


 劇場版恒例となるコナンの謎空間での推理もきちんとあったので満足です。その空間でも出てきたように桜が印象的でしたがちょうど公開時~今頃あたりが北海道の桜が満開の頃かな?

 ゲストキャラについて。福城聖は居合の達人、剣士ということもあってかっこよかったですね。最初に出会ったのが和葉ということで恋の鞘当てを演出したり事件にも深くかかわるなど見せ場も多かったのですが…飛行中のセスナの上でチャンバラする奴があるか!手に汗握ったけど(笑)。北海道東照宮の巫女さん吉永神子は横顔の美しさが半端なく気合入っていた気が。
 その他メイン&サブキャラについて。大岡紅葉とその執事伊織無我が北海道を駆け回る姿は笑えましたし意外なコナンへの信頼はホッとしましたがクライマックスにあんな形でフラグ回収すな(笑)。あと、ギャグ方面では蘭のあの表情はすごかった(笑)。

 これまで映画コナンで謎解きにおいて調べてほしいことをお願いするのは灰原がメインでしたが今回は園子がその役割を担ってくれたのが新鮮。阿笠博士と少年探偵団は解決編で大活躍、博士の技術ってすげー!

 ラストの「お宝」の正体はまさかそういうことかと。「時の流れ」を思わせる切なさのある着地でした。また、今作は「意志を継ぐ」というのがキーワードでしたが犯人やその周りの人物を見ているとそれは必ずしもいい方向には向かないと思いましたし下手をすると厄介な感情になりうるというやるせなさも抱きましたね。
 そして優作パパと有希子ママのエピローグの回収。服部も気にしていたけどキッド…コナンといとこだったんか!

 すごく面白かったです。お話もですがキャラの動き方も本当にお見事でしたしアクションもド派手で熱かったですし見どころたくさんで楽しめました。キッドが敵対してはいなかったからかその辺にストレスを感じなかったのが大きい。
 そして来年は大和警部と高明警部の長野県警コンビが予告に。

 

 最後に。コナン映画を見ると背景や小道具を気にするクセがあるのでその話。

 蘭が読んでいた旅行雑誌は「たびっぷる」でおそらく「まっぷる」のパロディ。まっぷる派になろうかな。
 コナンと服部が神子に呼びだされたハンバーガー屋さんの看板は「HAPPY PIERROT」で函館で有名な「ラッキーピエロ」が元ネタ。行きたくなったぞ。キッドがワイルドに頬張る場面も。

 五稜郭タワーで紅葉が食べていたのはバニラと抹茶のジェラート。やはり北海道のデザートにアイスは欠かせないのか。北海道展でソフトクリームを食べた直後に観たので。