GAME MUSIC on BRASS~歴代名作ゲーム音楽と華麗なるブラスの響宴~

 2021年12月26日に「GAME MUSIC on BRASS~歴代名作ゲーム音楽と華麗なるブラスの響宴~」に行った時の思い出話をしようかな。ちょうどコロナ禍の最中、少しずつ秩序を取り戻しつつある中でしたね。遠征もできず、イベントやコンサートもない中で開催されたのを覚えています。

 

 セットリストは以下。演奏はブラス・エクシード・トウキョウのみなさん。
第一部

ドラゴンクエストI序曲

ドラゴンクエストII~IIIセレクション
遥かなる旅路広野を行く果てしなき世界/恐怖の地下道~魔の塔/おおぞらをとぶ/戦闘のテーマ~アレフガルドにて~勇者の挑戦

ウィザードリィ組曲

-休憩-

第二部
アークザラッドセレクション

ファイナルファンタジーVIIIよりFisherman's Horizon

クロノクロスメドレー

ファイナルファンタジーXよりザナルカンドにて

ファイナルファンタジーVメドレー

アンコール

ファイナルファンタジーメインテーマ(5版)

交響詩「希望」

 司会は吉田純也さん。1983年生まれでファミリーコンピュータと同級生という触れ込みでした。ドラクエ1は1986年発売で当時は3音とノイズの4音で表現していたなどの解説もあり。すぎやまこういちさんの音楽は心に残り続けると。この年に天国へ旅立たれたんでしたね。
 序曲はやはり理屈抜きで感動します。あのロトファンファーレが聴こえた瞬間ゾクッとなりましたし、開会式で使われたことも思い出しますね。2ループ目以降楽器が増えるのは興奮。ドラクエ2スーファミで遊んでドラクエの世界に引き込まれましたし思い出深いです。ムーンブルクの王女を仲間にしてムーンペタの町から出た時にこの曲に変わった時明るい曲にワクワクしたのは忘れられません。
 ドラクエ3編。おおぞらをとぶは静かなメロディから壮大になっていく流れに目頭が熱くなります。あの下村陽子さんが感動したのも納得。そしてラストは勇者の挑戦!思わず手が光の玉を握りしめました。さすがに掲げませんでしたよ(笑)。勇者たちの戦いを見守る心境で聴き入ってました。もしくは自分が闘う気持ちで。

 次はウィザードリィ。1981年にアメリカで発売され1985年に日本版が出たらしく、これが日本のRPGに影響を与えた話は聞いたことがあります。キャラを作成してパーティを組んでダンジョンを攻略するもので、かの堀井雄二さんもファミコンウィザードリィをやりたかったからドラクエを作ったという裏話も聴けました。そういえば今年リメイク版出たんでしたっけ。あと、小説版をベニー松山さんが執筆されたのも有名。
 ここで休憩。

 第二部はアークザラッドセレクションで今回は3の曲だそうです。アークザラッドは友達が『アークザラッドII』を遊んでいたのを見たことがある程度ですがエルクとシュウがかっこよかった記憶があります。初代プレイステーションのお話があり、アークは2で完結のところ人気が出て3が作られたとか、お客さんの中にはPS4や5しか知らないお子さんもいるのではって(笑)。
 ここでこのコンサートの編曲者藤岡睦穂さんが登場。なんとケンミン。まずプレイして思ったこと、「ここが熱い」と思ったことを取り込んでいくそうです。プレイしたことない人が音楽聴いてゲームにも興味持ってもらえたらいいとか。ちなみに『クロノ・クロス』をサントラから入ってゲームを遊んだそうです。

 FF8からはフィッシャーマンズホライズンの曲。釣りじいさんなんてコアな名前も出てきた。

 次にクロノ・クロスは同じ99年の作品ですね。ギターから顔を出すフルート、ノスタルジー民族音楽を取り入れた曲がウリとのこと。

 オープニングについて「はじまりは何だったのだろう?運命の歯車はいつまわりだしたのか?」「殺された未来が復讐に来る。星の見る夢はまだ終わらない」というお話が聞けました。クロスはトリガーの続編ですが前作を否定する内容と知って今まで避けていたのです。が、今回聴いた音楽は本当に素晴らしかった!オープニング曲はサビの部分をCMで聴いたことがありましたがフルで聴いたら本当にすごかったです。クロスを知らない自分でもこの曲だけは知ってましたからね。と思っていたら翌年2022年にはリマスター版が発売されるというミラクルが起こったんですよね。

 吉田さんのMCでゲーム音楽は一つの作品、場面を語ったり映像に命を吹き込んだり。時がたっても大人になってもセリフが蘇る―という言葉がありました。これはゲーム音楽を聴いて遊んだ時の思い出や当時の心境を思い出すことがあるので本当によくわかります。いつでもあの頃に戻れる、今現実と戦える力をくれるとかそういう感じ。

 FF10のザナルカンドにては『題名のない音楽会』でも流れた有名な曲ですね。結構FF音楽ランキングの常連な気がします。「最後かもしれないだろ?」の後はネタバレ防止のために語らなかった。わかってらっしゃる(笑)。「夕陽に照らされたあなたの姿が」というポエムなMCも。ピアノが実に映える曲でした、弾けるようになりたいなー。

 トリはFF5メドレーで曲はオープニング、ファイナルファンタジーVメインテーマ、ハーヴェスト、王家の宮殿、ビッグブリッヂの死闘、決戦、最後の戦い、親愛なる友へ、エンドタイトル。知ってるゲームなら詳細書けるのがなんとも(笑)。解説では90年代の代表作でキャッチコピーは「風が、かわる」。風水火土のクリスタルが砕けようとすること、エクスデスの野望を阻止することというあらすじ。チョコボに乗って世界を旅するように楽しんでほしいという触れ込みでしたが実際そんな明るい曲が多いですよね。
 オープニングはステージを照らす青のライトが夜明けのタイクーン城を思わせます。クリスタルが砕け散る瞬間のシンバルが「なにっ!」と叫びたくなりました。メインテーマは何度も聴いてるのにやはり明るさと盛り上がりにしびれます。やはりラストバトル前が脳裏に浮かぶ。ハーヴェストはノリノリでよかった。こういう場で映える曲だと思います。王家の宮殿はすごい豪華な印象に。

 そしてビッグブリッヂの死闘!イントロが鳴った瞬間目を見開くほどで否応なしに熱くなります。後ろからギルガメッシュが出てくるんじゃないかと思った(笑)。そのテンションを持ち越したままエクスデスとの決戦!太鼓音~サビの大盛り上がりはもはや魂が燃えるよう本能に刻み込まれてます。ガラフエクスデスの死闘を思い出すぜ…。最後の戦いはネオエクスデスの登場セリフが自然と浮かびます。会場の真っ赤な照明が戦いのあの空間を思わせました。そしてあのおどろおどろしくもまとまりのある姿も。ぜになげバハムートフレア剣みだれうちでお願いします。宇宙の法則が乱れる!

 親愛なる友へは涙がこぼれました。以前BRABRAFINALFANTASYに参戦して聴いたことがあるのですがその時もやはりウルッとしましたね。手紙のシーンに泣ける。それから涙を吹き飛ばすエンドタイトルへなだれ込み、ラストの力強い演奏と共にシメ。
 アンコールは5版の「ファイナルファンタジー」。

 

 最後に吉田さんのお話。長崎出身で雪が珍しいからか葉っぱに積もる雪にときめいたり、コンサートに携わった人、企画やホールのスタッフ、お客さんへの感謝が。こんな特別な時期だからこそ心に宿る希望をということでFF12からエンディング曲交響詩「希望」でお別れ。

 コロナ禍になってからずっと生のエンタメに触れることなんてなかったですし久しぶりのコンサート、しかも大好きな作品の音楽ということで思い切って参加してよかったですね。今こうして書いてても当時の救われた思い出がよみがえりました。

 コンサートに関わった全ての人に時を超えて感謝と拍手を。